低置胎盤と逆子で帝王切開で出産

30週 胎盤の位置が低いと言われる

32週 部分前置胎盤

33週 異常なし

34週 低置胎盤

お灸に行く。

36週 低置胎盤

38週で逆子という理由で帝王切開で出産

 

 複数の先生に診察していただいていて、診察結果が各々違った。

ずっと逆子だった。

低置胎盤の原因を考えてみる

 低置胎盤になる原因を調べたけど、当てはまるものが高齢出産だった。35歳で妊娠した。

 35歳で不妊外来に通った。私と夫の検査をしたら年相応の結果で異常なしだった。卵管検査すると妊娠しやすくなると言われ、検査したら異常なしだった。通って2ヶ月でタイミング療法で妊娠した。その間、不妊外来で勧められて葉酸サプリメントを飲んでいた。

妊娠前心身ともに疲れていた

 妊娠前は仕事は忙しく、心身ともに疲れていた。8時過ぎに家を出て、19、20時くらいに帰宅して、ほぼ毎晩夜ご飯を作って、24時前に就寝。家でも仕事のことを考え、少し調べものや勉強もしていた。早く寝ればよかったけど、ネットサーフィンが止まらなかった。若干ネット中毒だった。

 コロナで残業がなくなり、在宅ワークになり、時間に余裕ができたころ、平日に不妊外来に通った。在宅ワークで人と会わない孤独感、ずっとパソコンに向かっていなければいけない、不妊外来に通うことによって、自分は不妊症で欠陥があるのではないかという自己肯定感が強くなり、気分が沈んでいった。仕事終わりの通院も疲れた。

妊娠中心身ともに疲れていた

 つわりは3日間のうち2日は吐くのが3週間続いた。胃液も吐いたのでそこそこひどかったと思う。体重が3kg減った。つわりのピークを過ぎたら徐々にごはんが食べられるようになり、出産時の体重も+10kgになり、問題はなかった。血液検査の結果、鉄分不足で鉄剤をもらっていた。

 妊娠中も仕事は忙しく、新しい分野の仕事もあり、やりがいもあったけどストレスもあった。残業は毎日0.5~1.5時間くらい行っていた。つわりが落ち着いたころには体調もまあまあ良くなってきた。でもお腹も重くなり、疲れやすくなり、万全には仕事はできなかった。

 産休に入る前の一年間、得意分野の仕事ができ、切磋琢磨して仕事に取り組んでスキルアップもでき、仕事の集大成みたいな年だった。もう仕事に関しては思い残すことはなく、やりきった思いがある。

 仕事が抜けられない、でも子供ができなかったらどうしよう、どんどん年を取ってしまうという不安があったけど、私にとって妊娠のタイミングがすごくよかった。

 疲れていた、大変だったとばかり書いてしまいましたが、周りの方にはすごく配慮していただき、やさしい言葉もかけていただきました。とても感謝しています。

診察について

 診察については、たらい回しにされた感がある。

 通院していたクリニックでは複数の医師がいて、胎盤の位置が低いと診察された時に、「次回は医院長に診てもらってください」と言われ、医院長に診てもらったら「部分前置胎盤」と診断され、総合病院へ行くよう勧められ、総合病院では診察前に紹介状を見て「クリニックではやってもらえないって?(ため口)」と受け入れたくなさそうに言われた。内診してもらったら「胎盤見えないんだけど」「クリニックでやってもらえると思いますよ」と半笑いで言われた。内診を終えて診察待ちのため、診察室の外で待っている時に、看護師さんとの笑い声が聞こえた。この医師は私にとっては印象が悪かった。

 総合病院の医師との相性が良くない、リスクがあるから総合病院に行かされたのに受け入れたくない感じで言ってくる、場所も遠いということで、総合病院で出産するのは嫌だった。

 結局、総合病院で紹介状を書いてもらい、クリニックに戻った。

 クリニックで診てもらったところ、「低置胎盤」ということでクリニックで出産できることになったので安心した。もし、また総合病院に行ってくれと言われたらどうしようかと不安だった。(前置胎盤だったらうちではやらないと言われた。)

 逆子だったので「逆子が治ったら、自然分娩は可能ですか?」と聞いたところ、「可能です。ただ出血は多いけどね。」と言われた。

 結局逆子は治らず、予定帝王切開で出産。出血の量は普通だった。(出血の量が多くなかったのは、お灸に通って子宮が柔らかくなったからじゃないかと思っている。)

 クリニック、総合病院、どちらも私を受け入れたくない姿勢を取られ、嫌な気分になった。クリニックと総合病院の間で確執みたいなものが垣間見えたけど、患者側はそんなの知ったこっちゃない。患者を巻き込まないでくれと思った。

 他の産婦人科を探そうかとも思ったけど、もう30週過ぎていて分娩予約ができるのか、問題のある妊婦を受け入れてもらえるだろうか?すぐ診察予約できるだろうか?もう出産予定日までに日にちがないのに、どこの病院も私を受け入れてくれなかったら母子共にアウトじゃんということで、ストレスだった。

 診察も1、2週間ごとで、GWも挟んでしまい、診察してもらって結果を聞くまでに待ち時間があったので、気が重かった。気が収まらず、習い事先、鍼灸の先生、初めて行く美容院、遠くに住んでる友達など、病院とはあまり関わりがなさそうな人たちに、病院でこんなことがあったと言いふらした。(なんかすみません。)

 産休に入っていて、残りの自由な時間を楽しもうと思っていたのに、不安な日々を過ごしていた。やっと産休に入ったのに、私のマタニティライフは穏やかじゃなかった。

鍼灸

 35週ごろ鍼灸に行った。お腹を触って診てもらったところ、お腹が張っている、子宮の位置が低いと言われた。初めての妊娠だったのでお腹が張っている感覚はよく分からなかった。産婦人科の診察でも言われなかったので、この時、お腹の張りの感覚を自覚した。お腹が固いとは思っていたけど、妊娠とはこんなものだと思っていた。

 お灸には一週間ほど毎日通った。その後は出産まで2日に1回くらい通った。計14回くらい。金額がヤバいことになった。逆子が治るのならいくらでも出すから!みたいな気持ちになっていた。鍼灸の支払い分は医療費控除の対象になるらしい。

 鍼灸に通ったらお腹の皮膚がすごく柔らかくなり、胎動をすごく感じた。今まで時々しか感じなかったのに、15時くらいと、22時くらいにお腹を蹴っている感じがしたり、うねっている感じがした。上下回転はしなかったけど、よく左右の向きは変わっていた。

 鍼灸の先生にお腹を触って赤ちゃんがどちら向きか教えていただいて、私がどちらの向きに寝れば赤ちゃんが回転しやすいか教えていただいた。赤ちゃんの頭とお尻の部分はまるい感触があったのが自分でも分かった。

 鍼灸は最初は痛みとかはなかった。足の小指にお灸をしていただいたけど、熱さは感じず、何かが小指の上に乗っているという感じだった。鍼灸初日の夜、足がものすごくぽかぽかして温かくなり、暑くて寝苦しいくらいだった。すぐに効果が出てびっくりした。

 足が冷えていてあまり感覚がなかったようで、鍼灸に何回か通う内に、足の小指にお灸をされると熱を感じるようになってきた。鍼灸は足の小指、三陰交、腰に行った。(背中は鍼のみ)後半、お灸を強くしていただいて、足の小指は1秒激痛を数回やる感じで苦行だった。出産一週間前はお腹も重くなり、鍼灸は激痛で心が折れそうになっていた。しかし、逆子を治したい一心で激痛に耐えていた。足の小指以外は痛みはあまり感じなかった。

 鍼灸に通って4、5回目くらいの20時ごろ、床に座って足を前に伸ばし、ソファーに背を持たれて、スマホで「ぷよクエ」をしていたところ、お腹の中で赤ちゃんが動き、赤ちゃんが横向きになった感じがした。(丸いものが横にふたつあった。多分、頭とお尻。)これは回転して逆子が治るぞと思い、余裕ぶっこいてそのままの姿勢で「ぷよクエ」をやっていた。しかし、逆子は治らなかった。その後、全然逆子が治らなかったので焦り、赤ちゃんが激しく動き始めたら、すぐに横向きになって、逆子が治ることを祈った。しかし赤ちゃんはお腹の中でどんどん大きくなり、最後まで逆子は治ることはなかった。あの時「ぷよクエ」に夢中にならないで、横向きになっていれば逆子は治ったかもしれないと後悔した。

 鍼灸はお腹がすごく柔らかくなり、胎動もすごく感じ、効果があった。鍼灸の先生方にはアドバイスもしていただいたり、低置胎盤の不安な気持ちを親身に聞いてくださり、施工だけではなく心も落ち着かせることができ、大変お世話になり感謝しています。

帝王切開で出産

 逆子が治らなかったので、帝王切開で出産した。アプガースコア10点の元気な赤ちゃんを産んだ。私の出血の量も普通だった。

 逆子が治らなかったのは胎盤が邪魔で赤ちゃんが回転できなかったんじゃないかなと思う。

 手術も医師や看護師さんたちが手慣れた感じでテキパキとやっていただき、あっという間の出産で、「痛くないですか?気持ち悪くはないですか?」と都度声をかけていただき、不満に思うことはなかった。(診察してもらった医師とは違った)入院中も助産師さんにやさしくしていただき、大変お世話になりました。

 産後も特に大きな問題もなく、母子ともに元気に過ごしている。

胎盤の位置が低いと言われた時の心境

 30週前に胎盤の位置が低いと医師に言われた時、なんだか私は上の空で聞いていた。週数もまだあったし様子見ということで医師もそんなに重い感じで言わなかった。私は問題なく自然分娩で出産できると思っていた。母、姉も子供3人自然分娩で出産していて私に問題があるはずがないと思い込んでいた。

 仕事がずっと忙しく、自分の体のことは二の次にしていて、仕事を優先していた。自分のことより仕事を優先しようという考えに、なぜかなっていた。

 産休に入ってからは、最後の自由な時間だと思い、あまり会っていなかった友達に会ったり、行きたかったカフェにひとりで行ったりして、自分のやりたいことを優先した。また出産後の赤ちゃんグッズや私の出産準備、里帰りはしないので食材の準備など毎日忙しく過ごしていていて、自分と赤ちゃんのことは二の次になっていた。

 「部分前置胎盤」と診断されて、説明を受け、総合病院に行くよう促された時あたりで、徐々に自分には問題があるという実感が湧いてくる。

 診察室では、妊娠中の疲れや内診の疲れで、あまり頭が回らなかった。医師の言われることをただ聞いていればいいと思っていた。初めての妊娠で知識があまりなかった。

 医師よりも助産師相談で前置胎盤についてより詳しく、ゆっくり話が聞けた。自分でもネットでより詳しく調べた。胎盤の役割、通常の分娩では赤ちゃんを産んだあとに胎盤を出すということ、赤ちゃんより先に胎盤が出たらどうなるかということを理解し、前置胎盤とは母子ともにリスクがあることを知ってゾッとした。

 私は出産についてあまりにも知らな過ぎたし、私に限って問題はないだろうと軽く考えていた。前置胎盤のリスクについてたくさん検索し、徐々に怖くなっていった。出産前になると、帝王切開の予定日も決まって、もう手術を迎えるしかないと思い、検索するのをやめた。

逆子を治したい

 「逆子が治ったら、自然分娩は可能」と医師に言われてから、「逆子を治して自然分娩したい」と強く思った。帝王切開のリスクをネットで検索して怖くなったのと、やっぱり出産は自然分娩したいと思った。鍼灸に通い、なるべく横向きに寝て、胎動を強く感じる時は少しだけ腰をあげるなどして逆子体操をした。低置胎盤なのであまり無理はしなかった。

病院について思うこと

 病院については医師の都合などでたらい回しにあって不満がある。何も問題がない妊婦さんだったらいいけど、私みたいにリスクがある妊婦への対応はよくなかった。医師の言われた通りにすればいいと思っていたけど、受け身ではいけないと思った。医師同士も連携は取れていない。診断結果や紹介状があるけど「〇〇先生は何て言っていましたか?」と聞かれたけどあまりうまく答えられなかった。

 帝王切開で縦か横どちら切るか選べると説明を受けた時に、「どちらがリスクが多いか」聞いたところ、「どちらも変わらない」と返答された。ネットで調べると縦と横ではリスクが違う。自分でもいろいろ調べないといけないなと思った。ただ、妊娠中で頭が回らず、出産準備などもあり、あまり余裕がなかった。

 リスクがあったけど、総合病院ではなく、クリニックでの出産を選んでしまったけど、今となっては母子ともに何事もなくて良かったと思う。

 医師よりも助産師さんとゆっくり話ができ、たくさんお世話になりました。

 医師も、たらい回しにあった以外は穏やかな雰囲気で診察してくださり、感謝しています。

最後に

 この長い文章を最後まで読んでいるということは、私と同じ低置胎盤でこれから出産する方が読んでいるのかなと思います。不安な気持ちがあるかもしれませんが、一番は心穏やかに、日々楽しみながら出産の日を迎えてほしいと思っています。母子ともに健康で元気な赤ちゃんを出産することを願っています。